ゼノ奥さんが住むお屋敷は、胃の頭町の散歩道から「生け垣の迷路みたい」なエリアを通り抜けたところにあるという([2002-07]ゼノ奥さんのお茶)
井の頭の神田川近くにも、迷路とは言えないが生垣が続く遊歩道がある。散歩道で紹介したものとは異なるがこちらも暗渠道で、遊歩道として整備されているようだ。
お屋敷の周辺は「ど次元世界」とも共通する、シュルレアリズム絵画の様な風景が広がっている。もちろんこういった風景が実在するはずは無いのだが…
遊歩道に隣接して「ここ 公園? それとも どこかのお屋敷の 庭かしら?」([1998-09]ペットの散歩)とでも言いたくなる、不思議な一角がある。
大きな犬のプレートがついたプランター、卵のオブジェ、鋼管を使ったオブジェ…といったものが並ぶ。鋼管を使ったオブジェの垂直の棒には、以前は自転車のサドルが付けられていたと記憶しているが、いつのまにか無くなってしまっていた。
路地を挟んだ反対側にも鋼管のオブジェ、それにH字鋼を使ったリンゴの木のオブジェがある。さらにこの区画から神田川を挟んだ丁度反対側には生物的な椅子がある。
神田川沿いに少しだけ離れた場所にもまた公園か庭かわからない一角がある。こちらは日本庭園風の意匠でまとめられているが、それにあえて違和感を加えるようにコンクリートの円柱が埋められている。
直接モデルとして使われた(と思われる)物は生物的な椅子くらいだが、生け垣の道と不思議なオブジェが並ぶ一角があるこのエリアの様子は、ゼノ奥さんのお屋敷周辺の世界を創造する上でのインスピレーションの一つになったのではないだろうか。
諸星大二郎「栞と紙魚子」からの画像引用は 作品リスト [2002-07]ゼノ奥さんのお茶 [1999-03]ゼノ奥さん より。